悪質ブリーダーの見分け方|見学前・見学中に確認する8項目
悪質ブリーダーは、ブリーダーサイトに載っているかどうかでは見分けられません。ブリーダーサイトには「優良ブリーダー」という言葉が並びますが、掲載の条件は「法律上の登録がある」「見学できる」といった最低ラインで、飼育環境の良し悪しを全件チェックしているわけではありません。サイトに載っているかどうかと、自分にとって良いブリーダーかどうかは別の話です。
この記事では、悪質なブリーダーを避けるために確認する項目を、問い合わせ前・見学中・契約前の3段階、合計8項目に整理しました。根拠は、動物愛護管理法の条文と、みんなのブリーダー・ブリーダーナビが公開している掲載条件です。「なんとなく怪しい」ではなく、「ルール上おかしい」で判断できる項目を中心にしています。詳しくはみんなのブリーダー・ブリーダーナビの口コミ・評判にまとめています。

先に結論:悪質ブリーダーを見分ける8項目
- 動物取扱業の登録番号が掲載されているか(問い合わせ前)
- 自家繁殖か、親犬の情報があるか(問い合わせ前)
- 子犬の誕生日が明記され、引き渡しが生後56日以降か(問い合わせ前)
- 犬舎を見せてくれるか、親犬を見せてくれるか(見学中)
- 登録証(標識)が掲示されているか、見せてくれるか(見学中)
- 質問に具体的に答えるか(見学中)
- 対面説明が18項目の内容で行われるか(契約前)
- 生体保証と支払い条件が書面になっているか(契約前)

この8項目は、避けるべき相手を見分けるための最低ラインです。その上で、どんなブリーダーなら安心できるかは良いブリーダーの見分け方にまとめています。
問い合わせ前に確認する3項目
- 動物取扱業の登録番号が載っている
- 自家繁殖で、親犬の写真や情報がある
- 誕生日が書かれ、お迎えが生後56日以降になっている
1. 動物取扱業の登録番号が掲載されているか
犬を販売する事業者は、動物愛護管理法第10条により、都道府県知事等の登録を受けなければなりません(第一種動物取扱業)。登録には5年ごとの更新が必要です(第13条)。
みんなのブリーダーは掲載条件として「動物取扱業登録証(販売)と身分証明書のコピーを事務局に提出すること」を、ブリーダーナビは「動物取扱業登録証のコピーを当サイトに提出すること」を求めています。大手サイトに掲載されている時点で、登録証の提出は済んでいるはずです。
ブリーダーのページや犬舎の紹介に登録番号が書かれているか、見てください。書かれていない場合、サイト経由なら提出はされているはずですが、問い合わせの際に番号を聞いて、自治体の登録簿で照合できます(調べ方は別記事で書いています)。
2. 自家繁殖か、親犬の情報があるか
みんなのブリーダーは「自家繁殖した子犬以外は掲載しないこと」を掲載条件にしています。つまり掲載されている子犬の親犬は、そのブリーダーの犬舎にいるはずです。
子犬ページに親犬の写真や情報(犬種、毛色、血統)があるかを見てください。親犬の情報がまったくない掲載は、問い合わせの段階で「親犬を見せてもらえますか」と聞く材料になります。
3. 誕生日が明記され、引き渡しが生後56日以降か
動物愛護管理法第22条の5により、犬猫等販売業者は出生後56日を経過しない犬猫を、販売のために引き渡し・展示してはなりません(天然記念物の日本犬を専門ブリーダーが直接販売する場合に例外があります)。
子犬ページに誕生日があるか、お迎え可能日が誕生日から56日以降になっているかを確認してください。「生後45日で引き渡せます」といった案内は、法律に反しています。
見学中に確認する3項目

4. 犬舎を見せてくれるか、親犬を見せてくれるか
一番大事な項目です。見学は法律上必須の手順(後述)ですが、「子犬だけを玄関先で見せる」のと「犬舎に入れて親犬も見せる」のは違います。
知恵袋には、親犬を見たいと申し出たら「遠方にいるので見せられない」と言われ、血統書も1年くらいかかると言われた、という投稿がありました。迎えた子は半年後に「どこが豆柴?」と言われるほど大きく育ったそうです。自家繁殖なら親犬は犬舎にいるはずで、「遠方にいる」は掲載条件と矛盾します。
犬舎に入れてもらえるか、親犬(少なくとも母犬)を見せてもらえるか。断られたら、理由を聞いてください。感染症対策で立ち入りを制限する犬舎もあり、それ自体は悪いことではありませんが、その場合でも親犬を別の形で見せてくれるのが普通です。
5. 登録証(標識)が掲示されているか、見せてくれるか
動物愛護管理法第18条は、第一種動物取扱業者に対し、事業所ごとに公衆の見やすい場所に、氏名または名称、登録番号などを記載した標識を掲げることを義務づけています。
さらにみんなのブリーダーは掲載条件で「販売契約を締結する前に動物取扱業登録証を直接提示・情報開示すること」をブリーダーに求めています。見せてもらって当然のものです。渋られたら、その時点で判断材料になります。
6. 質問に具体的に答えるか
これはルールではなく観察の項目ですが、次のような質問に対して具体的な答えが返ってくるかどうかで、かなり分かります。
- 親犬の遺伝子検査はしているか(している場合、結果を見せてもらえるか)
- この犬種でかかりやすい病気は何か、この子の親や兄弟に出ていないか
- ワクチンは何回、いつ接種したか
- 年に何回繁殖しているか、母犬は何歳か
- 迎えた後に困ったとき、相談に乗ってもらえるか
「大丈夫です」「問題ありません」で終わる答えが続くなら、知識か誠意のどちらかが足りていません。みんなのブリーダーの掲載条件には「乱繁殖を行わず、計画をもって繁殖していること」とあるので、繁殖回数の質問にも答えられるはずです。
契約前に確認する2項目
7. 対面説明が18項目の内容で行われるか
動物愛護管理法第21条の4により、犬猫を販売する業者は、購入者に対してあらかじめ動物の現状を直接見せ、飼養方法・生年月日・繁殖者の氏名などを対面で説明することが義務づけられています。2019年の法改正で、この説明を行う場所は事業所に限定されました。
みんなのブリーダーの案内では、説明が必要な情報は18項目とされています。品種、性別、生年月日、ワクチン接種歴、既往歴、飼い方、かかりやすい病気、といった内容です。
この説明が「書類にサインしてください」だけで済まされるなら、手順が飛ばされています。説明を受けていない項目があれば、その場で聞いてください。
8. 生体保証と支払い条件が書面になっているか
みんなのブリーダーは掲載条件で「販売する子犬に対して何らかの生体保証を付与すること」を求めています。内容はブリーダーごとに違うので、期間・対象(先天性疾患か、死亡か)・対象外の条件を書面で確認します。
支払いは、どちらのサイトでも子犬代金をブリーダーに直接支払う形です。支払い時期、キャンセル時の扱い、予約金の有無を、口頭ではなく書面で残してください。
サイト外で直接契約しないでください。取引保証(詐欺にあったときの返金)は、サイト経由で問い合わせた取引が前提です。「サイトを通さなければ安くする」という提案は、保証を外す提案でもあります。
これが出たら引き返す
8項目のうち、次のものは「迷う余地がない」サインです。法律か、サイトの掲載条件に反しているからです。
- 生後56日未満での引き渡しを提案される(法律違反)
- 見学なしで配送できると言われる(対面説明の義務違反)
- 登録証・標識を見せない(第18条の掲示義務、サイトの掲載条件)
- 親犬が「遠方にいる」(自家繁殖の条件と矛盾)
- サイトを通さない契約を持ちかけられる(取引保証が外れる)
逆に、犬舎に入れてくれて、親犬を見せてくれて、登録証を出してくれて、質問に数字で答えてくれるブリーダーは、少なくともこのリストの範囲では問題ありません。あとは相性です。
販売業者の義務(現物確認・対面説明・56日齢)は、環境省「STOP!生後56日までの犬猫販売」のページでも確認できます。
すでに迎えた後で、病気・血統書・連絡が取れないなどの問題が起きている場合は、悪質なブリーダーから買ってしまったらでケース別のやることと相談先をまとめています。
よくある質問
- サイトに掲載されている「優良ブリーダー」なら安心ですか?
- 掲載条件を満たしているという意味では一定の安心材料ですが、飼育環境の良し悪しが全件確認されているわけではありません。みんなのブリーダーの記載は「訪問またはオンラインにて確認させていただく場合がございます」です。見学で自分の目で確かめる前提で使ってください。
- 犬舎に入れてもらえないのは悪質ですか?
- 感染症対策で犬舎への立ち入りを制限するブリーダーはいます。それ自体は悪質ではありません。ただしその場合でも、親犬を別室で見せる、窓越しに見せる、といった対応があるのが普通です。「何も見せない」なら理由を聞いてください。
- 登録番号を聞いたら失礼になりませんか?
- なりません。法律で掲示が義務づけられている情報で、みんなのブリーダーは契約前の提示を掲載条件にしています。聞かれて困るブリーダーのほうに問題があります。
- 見学で断りにくくなりそうで不安です。
- 知恵袋にも同じ不安を書いている人がいました。その質問への回答は「この子と思える子に出会えるまで回る」というものでした。見学は契約ではありません。複数の犬舎を見るのは普通のことです。