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悪質なブリーダーから買ってしまったら|病気・血統書・詐欺のケース別に、やることと相談先

悪質なブリーダーから買ってしまったら|病気・血統書・詐欺のケース別に、やることと相談先

悪質なブリーダーから買ってしまったら、まず何をすればいいのか。「迎えて数日で病気が分かった」「血統書がいつまでも届かない」「代金を払ったのに連絡が取れない」。こうした相談は、国民生活センターにも毎年寄せられています。

この記事では、迎えた後に起きるトラブルを5つのケースに分けて、最初にやること、過ぎると使えなくなる期限、どこに相談するかを、国民生活センター・環境省・JKC・ブリーダーサイトの規約といった公開情報で整理します。個別のケースの判断は、消費生活センター(電話188)や弁護士に相談してください。

悪質なブリーダーから買ってしまったら、まず動物病院で診てもらい診断書をもらう

先に結論

  • 最初にやるのは、受診・書類の確認・記録の3つです。動物病院で診断書をもらい、契約書と保証書で期限を確かめ、ブリーダーとのやり取りを後から見返せる形で残します。
  • 保証の申請には短い期限があります。たとえばみんなのブリーダーの有料の生体保証は、死亡なら診断日から7日以内、治療なら診療日から30日以内です。様子を見ているうちに期限が過ぎることがあります。
  • 相談先はケースで変わります。返金や治療費の交渉は消費生活センター(188)、対面説明なし・生後56日未満などの法律違反の疑いは自治体の動物愛護の窓口、代金を払ったのに届かないなら警察とサイトの取引保証です。
  • ブリーダーサイトは、原則として売買に入りません。規約で「当事者間で解決」とされています。ただし取引保証と、事務局への連絡窓口はあります。

詳しくはみんなのブリーダーの口コミ・評判にまとめています。

買った後のトラブル|病気・死亡・血統書など5つ

国民生活センターによると、ブリーダーが関係するペットの相談は、2016年度の250件から2020年度は324件に増えました。ペットの相談全体に占める割合も、17.6%から21.3%に上がっています。2020年度は犬が214件で、約3分の2を占めます。

国民生活センターと自治体の消費生活センターが公開している事例を見ると、迎えた後のトラブルはおおむね次の5つに分かれます。

  • 病気が分かった

    チワワを約80万円で買い、数日後のワクチン接種で先天性の心臓病が分かった。健康状態の説明も契約書もなく、領収書だけだった(国民生活センター)。

  • 亡くなった

    下痢をして翌朝に亡くなった。ブリーダーは一度は返金か代わりの犬で対応すると言ったが、後から「当方の獣医師の判断により補償対象外」とメールしてきた(同)。

  • 説明と違った

    「おとなしい犬種」と説明されたのによく吠える。この事例では、店に返品の義務はなく、全面的に責任を問うのは難しいとされた(福岡県)。

  • 血統書が届かない

    去勢の後に渡すと言われていたが、電話は使われておらず、SNSは退会し、紹介サイトからも情報が消えていた(国民生活センター)。

  • 代金を払ったのに届かない

    いわゆる詐欺です。大手のブリーダーサイトには、このケースのための取引保証があります。

国民生活センターは、紹介サイトが原則として売買に介入しないこと、病気が分かったときの対応がブリーダーごとに違い、望む対応を受けられないことがあることを問題として挙げています。

悪質なブリーダーから買ってしまったら|まずやる3つ

どのケースでも、最初の数日でやっておくことは同じです。後から「言った・言わない」にならないための準備です。

  1. 動物病院で診てもらい、診断書をもらう:病気や死亡の原因を、獣医師の書面で残します。みんなのブリーダーの生体保証は、獣医師の署名と日付が入った所定の診断書がないと申請できません。国民生活センターの事例でも、病気が分かったきっかけは動物病院の診察でした。
  2. 契約書・保証書・領収書を確かめる:保証の期間、対象の病気、上限額、申請の期限を確認します。国民生活センターは、契約書がないと後で契約の内容を確かめにくく、病気が分かったときにさらに揉めるおそれがあると指摘しています。
  3. やり取りを記録に残す:電話だけで済ませず、サイトのメッセージ機能やメールなど、後から見返せる形で連絡します。先の事例2では、ブリーダーの「補償しない」という回答がメールで残っていました。

手元に契約書がない場合も、サイトのメッセージ、振込の記録、子犬の紹介ページの画面などが代わりの記録になります。消える前に保存しておいてください。

期限の一覧|保証の申請は7日・30日・60日で切れる

トラブルの対応で一番多い失敗は、様子を見ているうちに期限が過ぎることです。主な期限を早い順に並べます。

何の期限か 期限
生体保証(死亡) みんなのブリーダーの有料保証は、死亡の診断日から7日以内
生体保証(治療) みんなのブリーダーの有料保証は、診療日から30日以内
マイクロチップ 名義の変更登録は、購入から30日以内(東京都の案内)
無料ペット保険 みんなのブリーダーはお迎えから1か月、ブリーダーナビは60日
取引保証 ブリーダーナビは、代金を払った日から60日以内に申請
血統書の登録料 JKCは生後90日以内なら2,600円、91日以上は6,000円
売主への通知 民法では、契約と違う点を知ってから1年以内
血統書の登録 JKCは生後2年を超えると原則できない

各サイト・団体の公式ページで2026年10月22日に確認。みんなのブリーダーの生体保証は有料の任意加入で、入っている場合だけの期限です。期限内に事務局へ報告すれば、申請期限を延ばせると定められています。

ブリーダー個人の生体保証は、期間も条件も犬舎ごとに違います。契約書に書かれた期限を、この表に書き足して確認してください。保証の種類の違いは取引保証・生体保証・無料ペット保険の違いにまとめています。

病気・死亡が分かったとき|診断書をもとに保証規定で請求

自治体の消費生活センターは、病気が分かったときの考え方を次のように説明しています。

  • 守口市の消費生活センター

    売り主(ペットショップやブリーダー)には、健康な動物を引き渡す義務がある。先天性の病気が分かった場合は、原則として契約に定められた保証規定に基づいて、治療費などの保証を受ける。

  • 福岡市の消費生活センター

    通常、購入後に先天性の病気などが分かった場合は、売り主に治療費などの負担を求められる。ただし「負担は販売価格の50%まで」「交換のみ」といった特約を設けている売り主もある。

つまり、まず見るのは契約書の保証規定です。請求するときは、診断書を添えて、どの病気が・いつ分かり・保証規定のどこに当たるのかを、記録が残る形で伝えます。法律上の考え方(契約不適合責任と、特約があっても売主が知っていた問題は免れないこと)は、ブリーダーのトラブル記事の「迎えた後に病気が分かったら」で説明しています。

サイトの保証を使う場合は、対象外の条件も確認します。みんなのブリーダーの生体保証では、次のような場合が対象外です。

みんなのブリーダーの生体保証で対象外になる場合

  • お迎えのときに説明を受けていた病気
  • 下痢や風邪などの軽い病気、ケガ
  • ワクチンなどの予防をしなかったことによる感染症
  • ブリーダーから代わりの犬を受け取った、または返金を受けた場合

最後の条件は見落としやすい点です。ブリーダーの代犬や返金と、サイトの保証は、両方は受けられません。どちらを選ぶかは、金額と条件を比べてから決めてください。みんなのブリーダーの生体保証の料金と中身はみんブリ生体保証は必要?にまとめています。

説明と違ったとき|ティーカップや豆柴は犬種名ではない

説明と違う点 どう扱われるか 確認すること
性格 責任を問うのは難しい(福岡県の事例) 見学で子犬と親犬の様子を見る
成犬の大きさ サイトの免責に入っている(みんなのブリーダー規約) 親犬の大きさを見る
ティーカップ・豆柴 犬種名ではなく、犬種としての保証にならない(JKC) 血統書の犬種名を見る
マイクロチップ 販売者が登録証明書を犬と一緒に渡す(環境省) 証明書を受け取り、名義を変える

各機関・サイトの公式情報で2026年10月22日に確認。

「小さく育つと言われたのに大きくなった」「性格が説明と違う」という相談は、責任を問うのが難しい分野です。福岡県が紹介した事例でも、「おとなしい犬種」という説明と違って吠えるという相談に対し、全面的に店の責任を問うのは難しいとされています。

大きさについては、ブリーダーサイトの規約にも書かれています。みんなのブリーダーの利用規約は、サイトの免責事項として「成犬時予想サイズが外れた場合」を挙げています。成犬の大きさは、親犬を見て見当をつけるしかありません。

注意したいのは、販売で使われる呼び名です。JKC(ジャパンケネルクラブ)は、「ティーカッププードル」や「豆柴」は正式な犬種名ではなく、販売上の商品名であり、血統証明書の犬種名には書かれないと説明しています。「ティーカップだから小さいまま」という約束は、犬種としての保証にはなりません。

マイクロチップの登録情報も確認しておきます。環境省の制度では、販売者は登録証明書を犬と一緒に渡すことになっていて、証明書がないと飼い主の名義への変更登録ができません。証明書を受け取っていない場合は、まず販売者に求めてください。制度の詳細は環境省のマイクロチップのページにあります。

血統書が届かないとき|3か月を目安に事務局へ

JKCの血統証明書は、繁殖者(ブリーダー)が申請するものです。ブリーダーが所属するクラブを通じてJKCに申請し、JKCが審査して発行します。書類がJKCに届いてから、不備がなければ発送まで実働約15日です。

つまり、ブリーダーが申請しない限り、飼い主の側からは進められません。JKCも、当事者間の書類のやり取りが原因のトラブルに関与できる範囲は「極めて限られる」と注意を呼びかけています。届かないときは、次の順で動きます。

  1. ブリーダーに、申請したかと申請日を確かめる:メッセージなど記録が残る形で聞きます。
  2. サイトの事務局に連絡する:みんなのブリーダーは、お迎えから3か月たっても受け取れない場合は事務局に連絡するよう案内しています。
  3. 消費生活センター(188)に相談する:約束が守られないことについての相談です。
JKCの手続き 内容
発行まで 書類がJKCに届いてから実働約15日
登録料 生後90日以内は2,600円、91日以上は6,000円
登録の期限 生後2年を超えると原則できない
名義変更 譲渡する人(ブリーダー)の署名と捺印が必要

ジャパンケネルクラブの公式ページで2026年10月22日に確認(登録料は3代祖の場合)。

期限も意識しておきます。JKCでは、生後2年を超えると原則として血統書の登録ができません。また、受け取った後に飼い主の名義に変える手続きには、譲渡する人(ブリーダー)の署名と捺印が必要です。署名のない原本を渡されるケースがあるとJKCが注意を呼びかけているので、受け取ったら署名欄も確認してください。

法律違反が疑われるとき|自治体の動物愛護の窓口へ

次のようなことがあった場合は、動物愛護管理法に違反している疑いがあります。

疑われること 根拠
事業所で子犬を見せず、対面の説明もなかった 第21条の4(説明は病歴・ワクチン・親と兄弟の遺伝性疾患など18項目)
生後56日を過ぎる前に引き渡された 第22条の5(日本犬6種の専門ブリーダーの直接販売は49日)
登録番号などの標識がない、広告に登録番号がない 第18条など

相談先は、ブリーダーの事業所がある都道府県・政令市などの動物愛護の担当部署です。環境省の「地方自治体連絡先一覧」で探せます。登録番号から業者を調べる方法は動物取扱業の登録番号の調べ方で説明しています。

通報を受けた自治体は、立入検査をして指導し、改善しなければ勧告、命令、業務停止・登録の取消へと進みます。ただし環境省の統計(令和6年度)では、全国の立入検査が23,914件だったのに対し、勧告は14件、登録取消は2件でした。ほとんどは指導の段階で終わります。通報は、同じ被害を減らすためのものと考えてください。お金を取り戻す手続きではないので、返金や治療費の交渉は次の章の相談先と並行して進めます。

令和6年度(全国) 件数
立入検査 23,914件
勧告 14件
措置命令・業務停止 0件
登録の取消 2件

環境省「動物愛護管理行政事務提要」令和7年度版。第一種動物取扱業者への措置の件数です。

ブリーダーへの指導が珍しくないことは、環境省の一斉調査でも分かります。2024年の発表では、調べた約1,400の事業所のうち約半数で違反が見つかりました。迎える前に確かめる点は悪質ブリーダーの見分け方にまとめています。

代金を払ったのに届かないとき|警察と取引保証と銀行へ

代金を払ったのに子犬が引き渡されない、ブリーダーと連絡が取れない場合は、詐欺の可能性があります。次の3つに同時に連絡します。順番を待っている間に、期限が過ぎたり、お金が引き出されたりするためです。

  • 警察

    緊急でなければ警察相談専用電話「#9110」、または最寄りの警察署に相談します。被害届は警察署に出します。ネットでのやり取りなら、警察庁のサイバー犯罪相談窓口もあります。

  • サイトの事務局と取引保証

    ブリーダーナビの取引保証は、代金を払った日から60日以内に申請し、上限は30万円です。契約書と、支払いを証明する資料が必要です。みんなのブリーダーには全額返金の取引保証があり、ブリーダーから3日ほど連絡がなければ事務局に問い合わせるよう案内しています。詳しくはブリーダーナビの口コミ・評判にまとめています。

  • 振込先の金融機関

    振り込め詐欺救済法では、被害にあったら警察と振込先の金融機関に連絡するよう案内されています。ただし犯人が口座からお金を引き出してしまうと戻りません。子犬の代金の詐欺が対象になるかは、金融機関と警察に確認してください。

2社の取引保証の違い

項目 みんなのブリーダーの公式サイトみんなのブリーダー ブリーダーナビの公式サイトブリーダーナビ
補償 代金を全額返金 上限30万円
申請の期限 公式ページに記載なし 代金を払った日から60日以内
連絡の目安 ブリーダーから3日ほど連絡がなければ事務局へ FAXかメールで申請。契約書と支払いの証明が必要

各サイトの公式ページで2026年10月22日に確認。画像とサイト名をタップすると公式ページが開きます。

サイトの取引保証は、そのサイトを通じて問い合わせ、契約した場合が対象です。SNSや個人のページで直接やり取りした場合は、対象にならないと考えてください。

相談先の使い分け|お金は188・違法は自治体・詐欺は警察

相談先 連絡先 向いている内容
消費者ホットライン 188 返金・治療費・保証の交渉。近くの消費生活センターにつながる
自治体の窓口 環境省の連絡先一覧 動物愛護の担当部署。対面説明なし・生後56日未満・不衛生・標識なしなどの法律違反の疑い
警察 #9110(緊急時は110) 代金を払ったのに届かない、連絡が取れない
法テラス 0570-078374 法制度と相談窓口の案内。収入などの条件を満たせば無料の法律相談
弁護士会 0570-783-110 ひまわりお悩み110番。近くの弁護士会の法律相談につながる(有料)
少額訴訟 簡易裁判所 60万円以下の金銭の請求。原則1回の審理で終わる

消費者庁・警察庁・法務省・日本弁護士連合会・裁判所の公式ページで2026年10月22日に確認。受付時間は窓口ごとに違うので、各公式ページで確かめてください。

迷ったら、まず188に電話するのが近道です。消費生活センターは、どの窓口に相談すべきかも含めて案内してくれます。国民生活センターの注意喚起は「年々増加!ブリーダーからのペット購入トラブル」で読めます。

ブリーダーとトラブルになったときの5つの手順
まずブリーダーと話し合って記録を残し、解決しなければサイトの事務局、取引保証、消費生活センター(188)の順に相談します。

これから迎える人は、予約金を払う前の注意点をブリーダーの手付金・予約金のトラブルで確認しておくと、同じことを防げます。

よくある質問

迎えてすぐ亡くなりました。返金と代わりの犬、どちらを求められますか?
契約書の保証規定によります。「交換のみ」「販売価格の50%まで」といった特約を設けている売り主もあります。規定に書かれていない場合や、説明と違う場合は、消費生活センター(188)に相談してください。サイトの生体保証を使うなら、ブリーダーから代犬や返金を受けると対象外になることがある点に注意してください。
契約書をもらっていません。もう何もできませんか?
そうとは限りません。サイトのメッセージ、振込の記録、領収書、子犬の紹介ページの画面も、約束の内容を示す記録になります。消える前に保存し、188に相談してください。
ブリーダーサイトに相談すれば、返金してもらえますか?
サイトは原則として売買の当事者ではなく、規約で「当事者間で解決」とされています。返金の対象になるのは、代金を払ったのに引き渡されない詐欺などの、取引保証の条件に当てはまる場合です。ただし事務局は連絡の窓口になるので、話し合いで解決しないときは連絡してください。
悪質なブリーダーを通報すると、何が起きますか?
自治体が立入検査をして、指導や勧告をします。改善しなければ命令や登録の取消に進みますが、多くは指導の段階で終わります。お金を取り戻す手続きではないので、交渉は188などと並行して進めてください。