犬の遺伝子検査キットを比較|わかること・わからないことと、Pontelyなど4社の料金・選び方
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犬の遺伝子検査は、口の中を綿棒でこすって送るだけで受けられるようになりました。ただ、「何がわかるのか」「子犬に受けさせる意味はあるのか」は分かりにくいところです。知恵袋にも「親犬が両方検査済みなら、子犬は検査しなくて大丈夫か」という質問があります。
この記事では、犬の遺伝子検査でわかること・わからないことを整理し、飼い主が自宅で申し込める4つの検査の料金と日数を公式情報で比べました。この記事には、Pontely のアフィリエイト広告を含みます。

先に結論
- 遺伝子検査でわかるのは、特定の遺伝子の変異があるかどうかです。病気になるかどうかをすべて予測できるわけではありません。
- 膝蓋骨脱臼や股関節形成不全など、多くの遺伝子や環境が関わる病気は、一般的な検査キットの対象外です。
- お迎えの前は、ブリーダーに親犬の検査結果を見せてもらうのが第一です。両親の結果がそろっていれば、子犬を改めて調べる必要は小さくなります。
- 親犬の結果がない、ミックス犬で親が分からない、といった場合は、迎えた後に自宅で検査する意味があります。
犬の遺伝子検査でわかること・わからないこと
ジャパンケネルクラブによると、犬の遺伝子疾患は約700が見つかっていて、そのうち200以上で原因の遺伝子変異が分かっています。遺伝子検査は、この原因が分かっている変異を持っているかどうかを調べるものです。
わかること
- 調べた遺伝子について、クリア・キャリア・アフェクテッドのどれか
- 原因が1つの遺伝子で決まる病気(単一遺伝性疾患)のかかりやすさ
わからないこと
- 調べていない遺伝子や、原因がまだ分かっていない病気
- 膝蓋骨脱臼や股関節形成不全のように、多くの遺伝子や育つ環境が関わる病気。股関節はレントゲンで評価されます
- 本当に発症するかどうか。アフェクテッドでも必ず発症するとは限りません(Pontely、VEQTA の説明)
各社とも「病気の診断ではない」と説明しています。検査の結果は、獣医師に相談するときの材料として使うものです。

お迎え前は、まず親犬の検査結果を見る
ブリーダーから迎えるなら、最初にすることは自分で検査を買うことではありません。親犬の検査結果を見せてもらうことです。ブリーダーナビも、交配の前に親犬の遺伝子検査をすることが望ましいとしています。詳しくはブリーダーナビの口コミ・評判にまとめています。
- どの病気について検査したか(犬種ごとに調べたい病気は違います)
- 父犬と母犬の両方の結果があるか
- 結果は書面で見られるか
劣性遺伝の病気なら、片方の親がクリアであれば、発症する子犬は生まれません。ただし、日本獣医師会雑誌には、血統書上の父犬と実際の父犬が違っていたために、柴犬のGM1ガングリオシドーシスの子犬が生まれた事例が紹介されています。結果の書面と、親犬が本当にその犬かを確かめることが大切です。良いブリーダーの見分け方はこちらの記事にまとめています。
迎えた後に検査する意味があるケース
親犬の検査結果がない、または片方だけ
検査する意味あり犬種でかかりやすい病気について、子犬自身の結果を知っておけます。
ミックス犬で、親の犬種がよく分からない
検査できるか確認検査の会社によって、ミックス犬の扱いが違います。
将来、繁殖させることを考えている
検査する意味あり相手の犬との組み合わせを考える材料になります。
両親とも同じ病気でクリアの結果がある
必要性は小さいその病気については、子犬が発症することはありません。
自宅で申し込める4つの検査の比較
飼い主が個人で申し込める検査を、公式サイトの記載で比べました。料金は2026年10月21日時点のものです。
| 検査 | 料金の例 | 結果まで | ミックス犬 |
|---|---|---|---|
| Pontely | 1疾患5,500円、犬種別の3疾患15,400円 | キット到着から約2週間 | 検査できる(発症の可能性は示されない) |
| VEQTA | 1項目4,950円、犬種判別33,000円 | 公式の記載は6営業日以内または7〜10営業日 | 両親の犬種が分かる場合のみ |
| Orivet | 犬種鑑定17,000円、犬種鑑定+全疾患29,600円 | 4〜7週間 | 犬種鑑定に対応(和犬は出にくい) |
| アモマグ | 1項目3,300円〜 | 検体到着から5営業日以内 | 記載なし |
各社の公式サイトより。Pontely・VEQTA・アモマグは税込の記載。Orivet は税込か税抜かの記載がありません。Orivet の疾患レポートは英語で、日本語の解説書が付きます。このほか、動物病院を通して血液で調べる検査もあります。
犬種がはっきりしていて、かかりやすい病気を調べたいなら Pontely・VEQTA・アモマグ、ミックス犬の犬種を知りたいなら Orivet、というように目的で選ぶのが分かりやすいです。
Pontelyの特徴と注意点
Pontely は、東京都港区の株式会社Pontely が運営する犬と猫の遺伝子検査です。犬種ごとに、調べておきたい病気があらかじめ決められているのが特徴です。
- プラン:犬種ごとの1疾患を調べる Starter Plan が5,500円、3疾患を調べる Health Plan が15,400円です(税込)。調べる病気を自分で選ぶプランもあります。
- 流れ:申し込むと2営業日以内にキットが届き、頬の内側をこすって返送します。結果はキットが届いてから約2週間で、会員ページに出ます。
- ミックス犬:検査できますが、対象外の犬種の場合は、発症の可能性は示されません。
- キャンセル:検体を送る前は5,500円がかかり、送った後は返金されません。
犬種ごとの検査項目は次のとおりです。
| 犬種 | 1疾患のプラン | 3疾患のプランで加わる検査 |
|---|---|---|
| トイプードル | 進行性網膜萎縮症(PRA-PRCD) | フォンウィルブランド病タイプI、変性性脊髄症 |
| チワワ | 進行性網膜萎縮症(PRA-PRCD) | 変性性脊髄症、神経セロイドリポフスチン症 |
| 柴犬・豆柴 | GM1ガングリオシドーシス | 進行性網膜萎縮症、変性性脊髄症 |
| ミニチュアダックスフンド | 進行性網膜萎縮症(RPGRIP1) | ムコ多糖症、神経セロイドリポフスチン症 |
| ポメラニアン | 高尿酸尿症 | 進行性網膜萎縮症、変性性脊髄症 |
Pontely の公式サイトの犬種別プランより。進行性網膜萎縮症は、表に書いた遺伝子だけが対象です。
注意したいのは、公式サイトに古い記載が残っている点です。利用者の声は2019年のものが中心で、性格を調べるプランは「準備中」のままです。結果の紙の報告書についても、ページによって説明が違います。申し込む前に、最新の内容を公式サイトで確認してください。
結果が届いたら
- クリア:調べた病気については、その遺伝子変異を持っていません。ほかの病気がないという意味ではありません。
- キャリア:発症はしませんが、子どもに遺伝子を伝える可能性があります。繁殖させないなら、普段の生活に影響はありません。
- アフェクテッド:発症する可能性があります。必ず発症するわけではないので、結果を持って獣医師に相談し、気を付ける症状を聞いておきましょう。
犬種ごとにかかりやすい病気は、トイプードル、チワワ、柴犬、ミニチュアダックスフンド、ポメラニアンの記事で詳しく書いています。遺伝子疾患の基本は、ジャパンケネルクラブ「遺伝子疾患について考えよう」で読めます。
よくある質問
- 親犬が両方検査済みなら、子犬は検査しなくて大丈夫ですか?
- 同じ病気について両親がクリアなら、その病気を発症する子犬は生まれません。ただし、親犬の検査は調べた病気についての結果です。ほかの病気が心配なら、子犬で追加の検査を受ける方法があります。
- 遺伝子検査は、子犬のうちに受けたほうがいいですか?
- 遺伝子は生まれてから変わらないので、検査は1度で済みます。早めに知っておくと、気を付ける症状を獣医師と相談しておけます。
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)は遺伝子検査でわかりますか?
- 膝蓋骨脱臼は多くの遺伝子や環境が関わると考えられていて、一般的な検査キットの対象外です。見学のときに膝の状態を確認し、動物病院で診てもらうのが確実です。
- 検査結果で「アフェクテッド」と出たら、必ず病気になりますか?
- 必ず発症するとは限りません。結果を獣医師に見せて、どんな症状に気を付けるかを相談してください。
